表示名称、原料、処方例の検索ができる化粧品技術者のためのデータベースサイト

粧工連とCosmetic-Info.jpでの表示名称などの表記の違いについて

 Cosmetic-Info.jpの表示名称データベースは粧工連発行「化粧品の成分表示名称リスト」をベースにしておりますが、異なる点がいくつかございます。それは弊社の入力ミスによるものかもしれません。弊社の入力ミスを発見された方は、お手数ですが、(有)久光工房 contact@cosmetic-info.jp までメールでご連絡いただけると幸いです。状況を確認して早急に対応いたします。しかし、入力ミスではなく弊社独自の解釈によってあえて粧工連のリストとは異なった表記をしているものがございますので、ここではその例を挙げておきます。

オレンジ油
「No.1およびNo.2改訂版」ですでに定義されているにもかかわらず、No.13にて微妙に異なる定義で再度掲載されています。これは異なる定義の2つの成分が同一の表示名称で登録されているということになるのか、古い方は廃止にして定義のつけ直しをしたと解釈すべきなのか迷うところです。Cosmetic-Info.jpではNo.13のオレンジ油の掲載を一時見合わせています。
オオミノトケイソウ果実エキス
定義中に学名をPassifrola quadrangularisと記載していますが、インターネットなどでオオミノトケイソウの学名を検索するとPassiflora quadrangularisが正しいようです。事実同一植物のエキスであるオオミノトケイソウ花エキスでは定義中で学名をPassiflora quadrangularisと記載しています。Cosmetic-Info.jpではPassiflora quadrangularisにそろえています。定義中における学名のスペルミスと思われる同様の事例はチノリモ/亜鉛発酵液、ジャガイモエキス、キウイ種子エキス、オオサルビアエキスなどでもみられます。Cosmetic-Info.jpではこれらについてインターネットや植物図鑑などを調べた結果から正しいと思われる学名を当社の判断で表記しています。
ツルエレイシ果実エキス
INCIがスペルミスではないかと思われます。同様なINCIのスペルミスと思われるものに乳酸桿菌/ワサビ根発酵エキス、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、(アクリレーツ/t−ブチルアクリルアミド)コポリマーなどがあります。Cosmetic-Info.jpではこのような例において当社の判断で正しいと思われるINCIで記載しています。
アポストロフィ/右シングルクオート/プライム
IUPAC命名法では、化学式や化学名の中に複数の官能基がある場合、その区別をわかりやすく表現するためにR, R′のように右上にプライムと呼ばれる記号をつけます。たとえば「R-CO-R′」のような化学式や「N,N′-Diphenylbenzidine」のような化学名です。INCIや表示名称では化学名やそれに近い命名が行われることもあるため、数は少ないものの名称の中に「N,N'-Bis(2-Hydroxyethyl)-2-Nitro-p-Phenylenediamine」「N,N’-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-ニトロ-p-フェニレンジアミン」のようなプライム記号を含むものがあります。IUPACで規定している記号は「プライム」です。しかしコンピュータにはプライムと見た目がよく似た「アポストロフィ」「右シングルクオート」などの記号もあります。見た目は似ていてもコンピュータの中では、プライム(′)は「U+2032」、アポストロフィ(')は「U+0027」、右シングルクオート(’)は「U+2019」のデータとして記録される別々の文字です。しかしデータ化といっても結局は印刷したものを「見る」ことが基本だったためデータとしての違いは気にされることなく、見た目がよく似たパソコンのキーボードで打ちやすい記号が使われてきました。INCIではプライム記号の代わりにアポストロフィ(U+0027)が使われています。本来アポストロフィはI'mのように省略を示すために使われる記号です。しかしコンピュータが一般化した初期の時代においてプライム記号はまだコンピュータで記録できる文字として定義されてなかったため、長らくアポストロフィで代用されてきた歴史があります。プライム記号がコンピュータに記録できる文字として定義された今もその古い慣例のままアポストロフィが使われているようです。さて、INCIの和訳が基本方針である化粧品の表示名称もこれに倣うならプライム記号の部分にはアポストロフィ(U+0027)もしくは全幅アポストロフィ(U+FF07)を使うべきところですが、なぜか化粧品の表示名称では右シングルクオート(U+2019)が使われています。クオートは‘こんな感じ’で左と右をセットにして発言などを引用するときに使う記号です。なぜプライムでもアポストロフィでもなく右シングルクオートが使われることになったのか不明です。プライム/アポストロフィ/右シングルクオートは、見た目が似ているだけでデータとしてはまったく別の文字データです。Cosmetic-Info.jpでは全角、半角、ひらがな、カタカナを区別しない「ゆるい検索」を基本にしているため検索するときの文字をあまり厳密に考えなくてもヒットする仕組みにしていますが、プライム/アポストロフィ/右シングルクオートは残念ながら区別してしまいます。そのため、Cosmetic-Info.jpでプライム記号を含む名称の検索をする場合、表示名称は「右シングルクオート」をINCIは「アポストロフィ」を使ってください。またはプライム記号を含まない部分を使った[を含む]で検索してください。

以上は2003.8.27現在で確認していた現象です。これら以外にも同様の理由で粧工連発行の「化粧品の成分表示名称リスト」とは異なる表示をしているものがいくつかございます。粧工連からは適時正誤表が配布されており、ここに挙げている例の多くは修正済みとなっています。しかし、年に数百件のペースで増加する表示名称のリスト化において上記のような事例は続いております。以上のように、Cosmetic-Info.jpでは粧工連発行「化粧品の成分表示名称リスト」とまったく同一のリストを提供しているわけではないことをご理解ください。